主にひとりごと

タイトル通り、ときぶいすの担によるひとりごとです。感じたことを語ったり、好きなことを話したり

自覚なく3年間胸の内に燻っていた亡霊が成仏した話

5月26日、大阪を皮切りにスタートしたSnow Man初のドームツアー『iDOME』



ようやく、スポーツ観戦やコンサート・ライブ会場で『声出し』がOKになってから初のコンサート。

※厳密には前年から解禁はされていたけど、 ツアー途中からだったから全面解禁という意味では初


2020年1月にデビューし、その次の月にはコロナが流行り始めたSnow Manにとって、実は初めての声出し全面OKのコンサート。



その初日公演に入って。



平たく言うとめちゃくちゃ楽しかった。
これは大阪公演を終え6月に入ろうというタイミングで書いているものだけど。
終わってから数日経った今でさえ、思い出すと「あぁ、よかったな」と思える程に。





めちゃくちゃ凝ったOP映像から入って。
一曲目、会場にD.D.のイントロが流れ出した途端の高揚感。
いつか単独でドームに立ちたいねとメンバーが言っていた夢が叶った、その最初の機会に。

大切なデビュー曲が聴きたかった。

おそらく、入る前にみんなセトリどんな風になるんだろうなーって色々と想像を膨らませたと思うんですよ。
私もいくつか「こんな感じだろうか」と候補を予想してみたりして。
勿論、一曲目のD.D.もその一つ。
というか、本命だった。
フル尺のイントロと共に出てくるSnow Man想像してテンション上がって。


思い描いていたソレがそのまま現実になると思っていなくて。


ぶわわーって涙こみ上げてきたんですよね。
えぇ、涙腺弱いもので。




明らかに金と時間のかかった、凝ったOP映像が流れて。
会場のボルテージが上がりきったところでD.D.のイントロが流れて。
大歓声の元へSnow Manというアイドルグループが出てくる。
しかも、めちゃめちゃ重たそうなコートを羽織って。



個人的に(あくまでも個人的に)初ドームの最初に見る光景としてこれ以上の正解ってないんじゃないだろうかってレベルの理想そのままだった。


ダンスを主体とするSnow Manは衣装も常に機能性重視。
だからこれまでも衣装で重たいコートを着るようなことは一度もなかった。


でもさぁ、何となくイメージとしてあるじゃん。
ファー付きの、明らかに重厚そうな見た目のギラッギラのコートを着てマイクを持つアイドル。
無理を承知で、1回この目で見てみたかった。
それが、この機会に叶った。

正直この時は予想だにしていなかった御髪の宮舘さんを見てしまって以降の記憶がしばし飛んでるので思い返すのは実質不可能なんだけど
あ、でもMCタイムで佐久間さんが「あんなに重たいコート初めて着た!」って嬉しそうにしてたの嬉しかったな





直前に発売したアルバムを中心に、双眼鏡が熱気で何度も曇るくらいのパッションと激情を迸らせながらあっちへこっちへ走り回り大熱狂するメンバーを見て。
終盤、D.D.のMVをセルフオマージュした映像を流されて。

あぁこの人たちはこんな映像を自分たちで意思を持ってお届けしてくれるくらい、でっかい存在になったんだなぁと嬉しくなり。

感極まるメンバーを見て少しだけもらい泣きしながら。



興奮のままにステージが終わった。





私が見るのはこの一回きりで、初日にして全てが自分の中で終わって、それをあとはゆっくりと消化していたんだけど。

大阪公演が終わり平日になって。
仕事している時に記憶を振り返ってみて。
こんなに何日もじんわりと噛み締めるように幸せな気持ちが持続したのって初めてで。


何でなんだろうなーって自分なりに自分の感情を探ってみた時。
多分、私がSnow Manさん達でまず何よりもちゃんと見たかったものを初めて見ることができていたからなんだと気づいてびっくりした。


何にびっくりしたって。
3年越しに自分の中の心残りが昇華されたことに気がついたから。








3年前。
デビューして間もなく行われる予定だったコンサート。
彼らのデビュー魂が行われたのは10月だった。
本来は、3月に行われる予定のものだった。



できなかった。

デビューして間もなく、新型コロナウイルスが世界的なパンデミックを起こした影響で。


当時はこれほどに長引くものになるとは社会全体が思っていなかったから。
どこの媒体も、どうか公演ができますようにとギリギリまで中止の決断をしなかった。

だけどまぁ、現実はあの通りで。
Snow Manさん達に限らず、どこのグループも。
もちろんジャニーズ以外も。
エンタメは足を止めざるを得なくなった


行くはずだったデビュー魂。
春を過ぎ、一度夏に再びできるかもしれないと期待が顔を出したものの、それも無くなり。
異例の4日間の横アリ貸切昼夜含めて9公演、全公演を生配信という形でデビューコンサートは敢行された。


私は決して、彼らの長い来歴を詳しく知っているわけではないけれど。


長い下積みを経てようやくデビューして。

デビューコンサートで、ファンと対面して。

ファンからありったけの「おめでとう」を受け取って。

「おめでとう」「ありがとう」が交差するような空間で。

めいっぱい歓声を浴びて。
彼らと彼らを大切に思う人たちで作られた空間で。


私の方や、私が見えない角度にいるファンに向かって嬉しそうに手を振って花道を歩く。


そんな光景が、見られるはずだった



その、きっと有り得たであろう光景を見ることが叶わなかったことが。
おそらく私は、悔しかったんだと思う。
考えを整理している内にようやく自覚したくらいだけど。


彼らがデビューした、それを祝うためのコンサート。
それが配信上でのものになって。
直接、同じ空間でその祝福を贈れるファンが誰もいなかったことが。

私はきっと、すごく悔しかった。


自分が、じゃなくて。
誰も。
「デビューおめでとう」って会場で伝える機会が訪れなかった事実が。

それがきっと、とても悔しかった。

言ったって仕方のないことだからと胸の内に収め、自分の中だけに埋没させ。
そうしている内にいつしか忘れてしまっていたことだけど。
忘れていただけで、自分の中から消えたりはしていなかったようで。



だから、あのドームでの光景は。

デビュー曲を歌いながら登場する彼らに向かって地響きが起こる程の歓声とペンライトの光が揺蕩う光景は。

私がずっと見たかったソレそのものだった。



これは持論だけど。
アイドルのアイドル性を育むのってファンの歓声だと思ってるから。

自分のしたことでファンが湧いて。
それをその場で耳にして。
大なり小なり、すぐさまフィードバックする。
自分たちに向けられる愛情と歓声を一身に浴びて、アイドルは艶を増していく。

私はそんな風に思っているから。


だから、全身に自分たちにだけ向けられた愛情と歓声をたっぷりと浴びて。
自分の一挙手一投足に湧き上がる声を聞いて自身の言動がそうさせたのだと感じてもらえる。
貴方の存在や行動に沸き立つファンが今、この場にいるのだと、その人に分かってもらえる。
ようやく、私は自分が好きなアイドルとその空間を共有できた。


それが、涙が出るくらいに嬉しくて。




あぁこの人たちは確かに、いつか見た夢の中にいるんだろうと。

それを受け止めることができたのが。
それに立ち会えたことが。
嬉しすぎた。





ドームでのセトリや演出。
色々と、やりたいこと詰め込んでて。
それ見るだけで「あぁこの人たち本当にドーム規模でコンサートするの嬉しかったんだろうな」がよく分かる作りになってて。

その中で、私が勝手に1番嬉しかったのがナミヲのフルサイズ披露で。


無自覚に、誰も訪れることができなかったデビュー魂の亡霊に取り憑かれていたらしい私は、できることならこのツアーで歌ってほしい曲のリストにこれを入れていた。

この曲はねぇ〜〜〜!!
思い入れという点においておそらく今後も塗り替えられることはないだろうなってくらい自分にとってはSnow Manさん達の曲の中でぶっちぎりに好きな曲なんですよ。
好きというか、まぁ好きでもあるし、大切な曲。

初めてこの曲を聞いた時、こんなに青臭くて泥臭い曲を爽やかに歌い上げる令和のアイドルって存在するんだなってびっくりした。

楽曲そのものがSnow Manのこれまでに合いすぎていて聴く側が感情移入を禁じ得ない曲ってのを歌う率があまりにも高すぎるSnow Manさん達だけど。

その中でもナミヲは秀逸だなと個人的には思う。

※まぁ、このグループのファンやってて一番苦しかった時期にこの曲を頻繁に耳にする機会があって助けてもらっていたという思い入れ補正がゴリゴリに入っているけども



「今度こそは」を期待した手
何度も雲を掴んだって
運命は自分で決めたろう?


「いつの日か」が今日の日に
目覚めない夢に
訪れるまで



この曲を
ようやくデビューに漕ぎ着けデビューコンサートまで辿り着き。
あの日、誰もいない客席に向かって。
きっと画面越しに見ているであろう私たちに向かって。
自担が「いつか行きたいね」と笑いかけてくれた、“その”場所で。

私はどうしても歌ってほしかったんだ。



いつか見た夢の中に、“そこ”に居られて、幸せだった




これは私の感じ方だけど。
きっとSnow Manさん達って見えてはいない色んなもの(けれどおそらく本来なら当たり前だったもの)を、コロナ禍によってポロポロと取り零してきた人たちだと思ってて。
それは、デビュー魂もそうだし。
それこそファンの歓声だってそう。
その瞬間、目の前にいるファンにファンサして声が上がることなんてのも、そう。

当たり前にあるはずだった「アイドルとファンの距離感」とか、「時間と空間の共有」だとか「感情と熱気のぶつけ合い」だとか。
そういうもの全て。


デビューしたと同時に一度全てがなくなって。
当たり前じゃないのが普通ってことに、いつしか“なってしまっていた”グループで。

そういう、本来なら当たり前にそこにあったものを“仕方のない失い方”をしてきた人たちで。
多分、今回のコンサートはそういうものを自分たちの手の内に取り戻すために絶対必要なことを全部やっていたように思う。


だから、ようやく自分のところへかつての当たり前が戻ってきて。
心の底から嬉しそうだったし。
笑っちゃうくらい熱狂してた。

だからそれを見て、自分の中に燻っていた亡霊もやっと成仏できたように思う。


D.D.始まりでキッシンやってGrandeurに繋がる冒頭のセトリも。
デビュー曲のMVを模した映像も。
自分たちがデビューすると発表した時の映像から今に繋げてLock on! を披露してくれたことも。

至るところに、この人たちがドームに立てる喜びとこれまでの軌跡を感じたし。
横一PPPをドームに持ってきたこととか。
大熱狂のCry outとか。
そういうのも、勿論そう。


何ていうか、この人たちドームデビューしたんだなぁって感じる構成がそこかしこに散りばめられてて。

ドームで単独でのコンサートできる貴重な喜びと共に、これを今回限りのものにしたくないんだろうなっていう気持ちも私は感じ取った。



今回はもちろん、「次」もきっと。

見る人を楽しませる一方で自分たちが一番盛り上がるようなあなた達でありますように。